みなさんは どんなトマトがお好きですか?どんなトマトが美味しいと感じますか?
今回ご紹介する生産者さんの取り組みは、
自分の好みを改めて考えるきっかけになるかもしれません。
野菜の中でも多様で奥深いトマトが大好きで、
トマトに関するセミナーやシンポジウムなどのお仕事がとりわけ多い私。
全国各地のトマト農家を訪問していますが、
徹底した顧客視点とオリジナリティーに驚かされっぱなしだったのが
トマトを周年栽培している愛知県碧南市の「にいみ農園」さんです。
トマト専門店「にいみトマト」
「にいみ農園」は、2015年3月の日本農業賞で大賞受賞、
続く11月の第54回農林水産祭では「内閣総理大臣賞」と「輝く女性の活躍」賞をダブル受賞するなど、
長年の取り組みが近年、立て続けに評価されている農園です。
2種のミニトマトを主力に、ミニトマトジュース」などを
3店舗の自社「トマト専門店」で直売している他、WEBショップでの販売もされています。
(写真をクリックすると「にいみトマト」のHPにジャンプできます。)
オリジナル品種で「手頃でちょっと美味しいトマト」を1年中
新美さんが目指しているのは、
日々の食卓に置いてもらえるような手頃な価格で、
飽きずに毎日食べられるような、ちょっと美味しいトマトづくり。
愛知県の県民性は堅実なのだそうで、
地元の方に楽しんでもらうために、あえて高糖度・高価格帯にしていないと言います。
ハウスには、たわわにトマトを実らせているものから、
まだ赤ちゃん苗木のものまで様々な生育ステージのトマトちゃんたちが ↓
これは1年中途切れることなくトマトを届けられるための工夫で、
農園を18区画に分け、時期をずらして栽培。
それぞれの区画で3回植え直しをするのだそうで、苗づくりはなんと年間54回にも及ぶのだそう!
さらに食べる人の好みとニーズに合ったトマトを届けるために
オリジナル品種を開発して栽培しているというから驚きました!
(トマトは種苗会社が育種している品種数も数えきれないほどあるので、
販売されている種でトマトを育てていらっしゃる方が大方です。)
あえて甘「酸っぱさ」を際立出せたミニトマト「プリンセスあかねちゃん」
とりわけ衝撃を受けたのは、甘みたっぷりの主力ミニトマト「プリンセス希(のぞみ)」と
双璧を成す、あえて酸味も際立たせた味の濃い「プリンセスあかねちゃん」。
ミニトマトと言えば甘いイメージが強いので、
口に入れた時のギャップに心をわしづかみにされました(笑)
「甘い!」が定番の褒め言葉になりつつあるご時世に
無数にある候補の中からあえて、この味わいを選抜したセンスがスゴイと思いました。
ピザに乗せたり、ドライトマトにしたり、調理に使いたい方や
酸味もしっかりするミニトマトが好みの固定ファンがしっかりついているのだそう。
私も「プリンセス希」よりも「プリンセスあかねちゃん」派。
そう、「美味しい」の基準は人それぞれなんですよね。
完熟収穫でも採りたてより数日後がおすすめ
もうひとつ勉強になったのは、完熟で収穫していながら、あえて翌日から店頭販売している理由でした。
理由1
採れたては、トマトが育つハウス内との温度差で割れやすいため、
袋内で割れ果実が出ないように、時間をおいてから袋詰めしているのだそう。
理由2
「切りたて(採りたて)よりも冬だったら4~5日、春夏でも2日くらい置いた方が
青臭みや酸味が抜けますよ」と新美さん。
青っぽい薫りが苦手な方は特に数日置いてみてから食べるのがオススメなのだそう。
逆に、ワイルドな青っぽい香りが好きな人は、すぐに食べると畑を感じられるわけです。
派手さはないかもしれないけれど、
「『にいみトマト』にしかない価値」を提案している農園だと思いました。
(取材日 2016年2月2日)
【生産者さんデータ】
株式会社にいみ農園
代表取締役 新美康弘さん
愛知県碧南市桃山町2丁目34番地
TEL:0566-48-6394 FAX:0566-48-6503
HP http://www.niiminouen.co.jp/
*HP内オンラインショップからミニトマト(旬のみ)や加工品のお取り寄せができますよ♪