2016/ 4/05(火)

生産・流通技術開発支援を行う園芸振興松島財団の取材記事@農経新聞

2016年4月4日号の農経新聞に私の執筆記事が掲載されています。

「農業は立国の基」という考えのもとに生産・流通技術開発支援を行っている

園芸振興松島財団の今年度・受賞者表彰式を取材したもの。

 

全国の農業流通現場を取材していると、様々な課題や悩みも伺うことがあります。

今回、支援が決まった研究は、それらの解決につながる画期的なアイデアばかり!

新聞なので文体は硬いですが、ワクワクする内容です。

クリックいただくと写真が拡大しますので、読んでいただけましたら幸いです。松島財団記事@農経新聞

以下、記事には盛り込みきれなかった、私の学びポイントを追記します。

●アスパラガスは雌雄株それぞれに良さがある!

雄株→若芽の萌芽が早い。実が付かず茎葉の養分が地下に貯蔵される、こぼれ種が雑草化しないため、高収量。

雌株→伏せ込み促成栽培では、太い雌株の方が好まれ、ニーズが増えている。

 

●種子繁殖型イチゴの普及には播種技術開発が必要!

種子繁殖型イチゴ「よつぼし」は実用レベルとしては初のF1品種。

来の栄養繁殖と比べ、増殖効率が100倍くらいになる。

だが現状、種子発芽には時間とコツがかかり、うまくいけば9割だが、上手でない人がすると成功率は5割になってしまう。

 

●ダイコン青変症は、ある程度事前に判定できる!

流通の過程や保存状況により、内部が青くなってしまう生理障害「青変症」。

消費者からの苦情の原因になり、産地を悩ませている現象だが、

発生メカニズムは石川県や神奈川県、三重大学との共同研究の結果、すでに解明済み。

オキシドールをふきかけることで、青くなる可能性があるかどうかを事前に判断することができる。

(可能性のあるものは数分で内部が青色に着色する。)

品種や栽培条件が同一であれば、サンプルを検査することである程度予測はできることになる。

ただ、品種の特質として青変症になりやすいものもあるので、

この検査を今度の育種に導入することで、よりリスクを軽減できるようになるのでは、とのこと。

 

●兵庫県は、日本のベビーリーフ栽培発祥の地!

欧州等ではヘルシー志向から注目されているベリーリーフ。

兵庫県では、いち早くアメリカから種を持ち帰り、1996年に栽培を開始。

国内生産量の14%を占めている。

繊細なベビーリーフは、他のカット野菜と同様の鮮度保持処理ができないため、

鮮度保持技術が課題となっている。

 

●ブルーベリーにはまだ伸びしろがある!

他の品目に比べ、ブルーベリーの育種はまだ100年ほどで歴史が浅いがゆえ、

まだまだ改善の余地が多く、可能性を秘めている。

 

実は、先日、大変有意義な調査研究を行っている先生の

国からの受託研究が突然、打ち切りになったというニュースにふれたこともあり、

未来に残すべき、未来を切り開くべき研究支援の必要性について改めて考えた1日でした。