4度、世界の頂点に輝いたレストラン「noma」のシェフ、レネ・レゼピに4年間密着した
ドキュメンタリー映画「ノーマ、世界を変える料理」。
昨年、レネ氏が来日時に産地視察に同行した「レフェルヴェソンス」生江シェフと、
以前お仕事させていただいた「フロリレージュ」川手シェフのトークショー付きの初日に拝見してきました。
「時間と場所を感じさせる料理」がコンセプトのノーマを率いるレネ氏、
4年間の記録は、「地産地消」を突き詰めることの難しさと可能性を感じさせる、
未知の挑戦と栄光、絶望と再生の物語でした。
世界NO.1のレストランのことを知りたい人、食に興味のある人は言うまでもなく、
何かを始めたい人、くじけそうな人、大きな壁に立ち向かおうとしている人・・・
いろんな方の心に響くのではないでしょうか。
美しいシーンの数々に加え、私にとっては
プロが撮ったものでもないと思われる、荒れた映像シーンの強さが印象的でした。
そのシーンを最高到達点とも思われる位置づけで使っていたことに共感しながら
アシスタントディレクター時代のことを思い出しました。
初めての海外ロケ地・カンボジアで、デジカメ撮影を任された時のこと。
現地の子供たちが、日本のアーティストが届けた楽器を心から楽しんでいる姿に
私は我を忘れて感動して夢中でカメラを回しました。
そして、メインのプロカメラマンさんが撮影しているところにぶつかってしまって、
それでも撮影を止めずに撮り続けていた映像。
現場では怒られましたけれど(笑)、
それをディレクターが番組のクライマックスで使ってくださったのでした。
「ひとつ、これだ!と思うシーンがあったら、そこから逆算して構成を考えていく」。
そう話していたディレクターの言葉を反芻しながら、もしかしたら、
この映画にとってのそれは、あのエネルギーが溢れたシーンだったのかなと思いました。
以下、トークショーで印象的だったこともメモ。
●生江シェフがレネ氏の日本視察時に受けた3つのリクエスト
①森を歩きたい
②お寺で食事をしたい(精進料理を食べたい)
③洗練された現代に息づいている料理を知りたい
●川手シェフから見た「noma」
→「自由にやらせるチームワーク」がかみ合っているのが「noma」
●生江シェフから見た「noma」
→料理人もお客様にホスピタリティーをもっていくマンパワーに圧倒される
お2人の料理、仕事にかける想いも伺うことができ、
レストランという場のイメージを新たにしました。
「レストランは、美食を愉しむ場であり、食の未来を感じる場」。