ふと迷いが生じる時って誰にでもあると思うのです。
そんな時、自分の軸を再確認できる場が私にとってはデュアルライフを送っている信州。
帰らなくても触れることで、
自分の原点を思い出すカギになるような「こと」や「もの」がいくつかあるのですが、
この映画はそのひとつになりました。(写真をクリックするとサイトにジャンプできます↓)
「人生フルーツ」は、ただのスローライフのお話ではありません。
戦後の高度成長期に、団地などの都市計画に携わってきた津端修一さんが
自分が設計したニュータウンのそばに50年も寄り添い、
失われた里山を取り戻す試みをし続けたからこその説得力があります。
作りっぱなしでなく住み続けて見守る。
その姿からは、諦めずにコツコツやる尊さ、がずしずしと伝わってきます。
そして、こう感じ、心に刻みました。
畑も 食も 人生も
たがやすこと 種まくこと 続けることが大切なんだと。
若干ネタバレになりますが、上記を感じるに至ったエピソードをいくつか。
●傍で支え続けている英子さんの愛が象徴された
ジャガイモと木のスプーンのシーンが好きでした。
それでいて、自分の食べたい朝食を食べている英子さんがステキでした。
●孫のはなこちゃんを思って、
修一さんが作った創意工夫の愛のかたまり、ドールハウス。
英子さんが「20年も食べ続ければ、懐かしくなると思う」と、
作り、送り続けた手作りの食事。
泣けました。
●英子さんのお買い物のスタンス
「人で買う。信用した人が買ったものでなければだめ」。
そして作り手の端くれとしても、「人生フルーツ」のような仕事ができたらと思いました。
というのも、テレビ業界時代から伝える仕事をする上でのスタンスはずっと変わっておらず
「(取材対象者の方に)あなたに取材してもらってよかった」と言われる仕事がしたい
取材対象者の方に、本心で喜んでもらえたら、それ以上の幸せはない。と考えています。
私が重きをおくのは、第三者が日常に入り込んでくる非日常を受け入れてくださった取材相手の方。
「人生フルーツ」を観ていると、当初は取材を拒否していたけれど、結果として
津端夫妻やご家族は、「よかった」「ありがとう」と思っていらっしゃるだろうなぁと感じられて、
こちらまで幸せな気持ちになりました。
気になった方はぜひ。あっ、すごくお腹がすくので空腹時は気をつけてくださいね。