9月上旬に伺った「日本みかんサミット」(詳細はこちら)では新たなご縁もいただきました。
薫りと酸味を楽しむ香酸柑橘が好きだ、と話していたら、
「熊野市にしかない『幻の柑橘』」があると、三重県熊野農林事務所農政室地域農政課の中村課長。
後日、「熊野市ふるさと振興公社」の今西さんが
採れ始めの「新姫」を贈ってくださいました。
熊野古道生まれの香酸柑橘「新姫(にいひめ)」
思わず「さま」づけで呼びたくなるネーミングの「新姫」さまは、
熊野市新鹿町で偶然発見された「古くて新しい」柑橘。
というのも、熊野市の天然記念物として保護されていた樹齢150年~200年にもなる
ニホンタチバナの大樹を調査した結果、タチバナとは違う固有種だと判明。
20年前の1997年(平成9年)に熊野市が新品種「新姫」として種苗登録し、
市の特産品として生産を始めたものです。
三重県南部に位置する熊野市は、面積の87%が山林で、みかん栽培がさかんな地域。
今西さんによると「タチバナと温州みかん、もしくは日本在来のなにかとが
自然交配した交雑種であると推定され」るのだそうです。
「新姫」さまは、柑橘の元祖から生まれたサラブレッドなわけですね。
苦味のある薫りが独自の個性
「すだちやシークワーサーと同じ仲間と考えられ、ほどよい酸味と爽やかな香りが特徴。
果実の直径3cm程度、重さは25~30gと小さくてかわいい柑橘」とのことですが、
私は、まず箱を開けた瞬間の華やかな薫りに驚きました。
皮に傷をつければ薫りがあふれる香酸柑橘は多いのですが、
「新姫」さまは何もしなくても、そこにいるだけで薫るのです。
(送っていただいたのは、かなり早めだったので通常より小ぶりのよう。)
そこは姫らしいのですが、見た目は荒々しくもあります。
表面はゴツゴツ、油分も多め。なんとなく原種に近そうなロマンが漂いますね。
切ってみると、果汁があふれでるほどジューシー!
薫りも弾けるのですが、それがまた個性的。酸味よりも苦味を感じる薫りが強いんです!
でも、果汁は苦くなく、料理を選ばず使い勝手のよさそうな酸味。
さらに意外なことに皮も苦味が控えめで、料理にも使える!
そして未熟なのに、果肉の色はほんのりオレンジがかっています。
なんと興味深い、ミステリアスな存在なのでしょう。
古くて新しい、爽やかな苦みの薫りなのに苦くない。。。
すっかり「新姫」さまのギャップ萌えです。
そんな「新姫」さま、10月13日に今年の青果発送がスタート。
11月上中まで超期間限定で「熊野市ふるさと振興公社HP」からお取り寄せができるそうです。
気になった方は、「新姫」さまとの出逢ってみてはいかが?