2017/ 11/20(月)

【講演】「阿波すず香」の魅力と可能性 前編

徳島と野菜ジャーナリスト

久々に仕事でお声かけいただき徳島県へ。「ただいま」という気持ちです。

というのも、2010年から約6年間「なっ!とくしまソムリエ」として

徳島農畜産物のPR大使をさせていただいたため、何度も訪れていた土地なのです。

 

取材を重ね、様々な場で情報発信させていただく中で、徳島にどんどん魅せられ

阿波踊りの踊り子として徳島や高円寺の舞台に立たせていただいたこともあったほど。

 

ということで、全ての始まりのきっかけとなった徳島県庁の田尾さん訪問からスタート!

田尾さん

当時、徳島に縁もゆかりもなかった私を抜擢くださった恩人です。

現在は、県民環境部長室というマルチな部署の部長としてご活躍されていました。

 

新しい春の香酸柑橘「阿波すず香」とは

今回の出張は、徳島県生まれの新たな香酸柑橘「阿波すず香」の

生産者さんや関係機関の方々を対象とした「阿波すず香研修会」での講演が目的。

 

「阿波すず香」は、県の総合技術支援センターが20年がかりで研究を重ね、

今年2017年9月28日に品種登録がされたばかりの最新の香酸柑橘!

徳島県が誇るスダチとユズを親にもつサラブレッドです。

人間のように親の特性をそのまま受け継ぐことの方が少なく、

奇跡的に両親のいいところを受け継いだものが「阿波すず香」なのだそう。

阿波すず香

「阿波すず香」ならではの5大特徴とされているのは・・・

 

①種が少なく 果汁が豊富

ここで私から追記したいのは、絞りやすさです!

皮はしっかりしているのに、半分に切って絞ると驚くほど簡単に果汁が出るんです。

なんとその果汁率は30%!実にゆずの2倍!!!

ちなみに直径6cm弱くらいのものをしぼったら、半分で大さじ3も果汁がとれました!

 

②爽やかな香りとまろやかな酸味が特徴

夏場はキリッと酸っぱいもの食べて暑さを乗り切りたくなりますが、春には優しい酸味が合う!

 

③皮が硬いため、春まで貯蔵が可能

ということで春に楽しめる新感覚の香酸柑橘なんです!

 

④皮に苦味が少なく、皮が厚い

加熱しても香りが変わらず、しかも苦味が出ないので、皮ごと温かいお料理に使える!

これは、スダチやユズにはない「阿波すず香」ならではの最強の強みですね!

 

⑤完熟(黄玉)がメイン、青玉も利用できる

春先の完熟果が出荷の主軸になる予定ですが、

11月頃からスダチ同様の青い状態も楽しめるので、まだまだ秘めたる力があるのです!

 

「阿波すず香」を育む徳島最後の村・佐那河内村

「阿波すず香」の試験栽培が行われているのは徳島県東部に位置する県内最後の村・佐那河内村。

スダチの大産地でもあり、取材でも訪れたのをきっかけに大好きになった場所です。

高台からのこの景色、絶景でしょ~!!!

SONY DSC

稲作に適したミネラル豊富な赤土層に恵まれた標高300メートル前後の棚田で生産される「ヒノヒカリ」は棚田米として評価が高い。

 

まもなく1000年を迎える歴史ある佐那河内村は、手つかずの景色が残っていながら

徳島市内から車で30分もかからない便利さも併せ持つ最高な環境なのです。

 

そして、こちらが佐那河内村で育つ「阿波すず香」たち。

阿波すず香 圃場

鈴なりに実がなるのも「阿波すず香」独特の特徴なのだそう。

 

「阿波すず香の魅力と可能性」

佐那河内村農業総合振興センターで開催された講演では、

試食、畑の視察を踏まえ、以下の3本柱でお話させていただきました。

講演会場

・他産地の動きにみるヒント

・阿波すず香ならではの魅力

・阿波すず香の未来へ(どこに売るか、徳島感・季節感、タイミング)

 

こんなリアルすぎるスダチのオブジェをプレゼントいただき、感動!

すだち

講演のあとは、みなさまとの意見交換、そして「阿波すず香」づくしランチへ!

後編へ つづく。