5月18日、「うちやま農園の初採れ露地グリーンアスパラガスを味わい尽くすディナー」を
奥渋の「イタリア料理おかだ」で開催しました。
うちやま農園のアスパラ尽くしディナーは、2017年は、5月19日以来。
前回のポイントは現地取材後、アスパラガスを担いで帰り、
そのままレストランに持ち込むという「朝採り日本最速篠原宅急便」でした!
(前回のレポート記事はこちら「朝採りアスパラ&サマートリュフ」への道)
今回は、奇しくも直前に「うちやま農園」の内山さんが
TBS「マツコの知らない世界」にご出演!
今、「日本一有名なアスパラ農家」の令和(露地)初物を味わうという
贅沢な企画となりました。
そしてマニアック度を増し、品種の食べ比べ、太さによる味わいの違いも探求。
(注:通常、うちやま農園では、品種やサイズの指定は受けていらっしゃいません。)
ご出席くださった豊洲や横浜の仲卸、生産者、野菜ソムリエなどの玄人も、みなさん「アスパラハイ」状態で、奥深きアスパラの世界に魅せられた夜となりました。
今シーズンは大不作?
では、その全貌をご紹介しましょう。
高知県・白木農園のスタールビーが主役のスプマンテで乾杯。
私からは、今年の「うちやま農園」の状況について解説しました。
「露地アスパラが出てこない!」
春の天候不良で例年より萌芽が遅れ、初収穫はオンエアの翌日、イベントの3日前というひやひやの状況。
内山さん曰く、「春一発目の勢いで、春アスパラの収量はだいたい決まる」のですが、
「今年は昨年の冷夏や台風の影響」で「大不作」なのだそう。。。
そんな中、本来は「農家の特権」だというシーズン初物をわけていただきました。
★5年メリーワシントンと8年ウェルカム 生とボイル食べ比べ
サルサロッサ、エストラット、ヴェネトのオリーブオイル
★アスパラと新じゃがのフォッカッチャ(メリーワシントン)
上の「ウェルカム」はメジャー品種で、「バランスのとれた優等生」で「甘味や旨味が強い」(内山)
下の「メリーワシントン」は「独特の雰囲気をもつ一匹オオカミ」。
「えぐ味を感じやすいけれど株が若いからどうかなぁ」と内山さん。
(注:「マツコの知らない世界」でもお話されていましたが、
アスパラ農家が思う最大の魅力は「旨味の奥にある えぐ味」なので、ポジティブな表現です。)
今回は、玄人が多いこともあり、圧倒的に「メリー」の重層的な味わいに魅せられる人が多かったかな。
私は、「メリー」の生とボイルの味の違いの大きさに驚きました。
調理法によって楽しみが広がる品種でもありますね。
新じゃがとのフォカッチャは満点の相性!
じゃがいも効果でもっちりむっちりしたパン生地に抱かれたアスパラの香ばしさは、幸せの味です。
アスパラマニアが好むのは 細いアスパラ!
この食べ比べで話題になったのは太さの話。
一般的に太いものがよいとされますが、それは流通過程を考慮しての話。
採れたてならば、細いほうが味わい深い。これは、アスパラマニアなら常識とのこと。
詳しくは、2017年の記事をご覧いただきたいのですが、
味もいいし、皮をむく必要もないし、すぐに火が通るし、といいこと尽くし!
アスパラ尽くしの前菜
メリーワシントンの滋味が凝縮されていると感嘆の声があふれたのが
★アスパラスープ(メリーワシントン)
★萩のイサキのマリネ 白バルサミコとアスパラのヴィネグレット(メリーワシントン)
アスパラを細かく刻んでビネグレットにしてしまうという贅沢。
香りと食感があふれる一皿でした。
★アスパラのバッサーノ風(ウェルカム)
天城軍鶏とアスパラのVaccaRossa24ヶ月のパルミジャーノソース
運ばれてきた瞬間、パルミジャーノの香りがガツン!さらに軍鶏との組み合わせ。
いただいてみると、2大濃厚食材に負けない存在感で見事に調和していました。
さすが、うちやま農園のアスパラだ!
もう一品は、内山さんの嫌いな?卵との組み合わせ(笑)
(注:卵がアスパラの大切なえぐ味をマスキングしてしまうから、という理由だそうです。)
でも、バッサーノ風は卵炒めにあらず。
ビネガーをきかせた半熟卵のソースのようなものなので、まろやかかつ軽やか。
そこに、クラタペッパーと素揚げしたかりかりアスパラのアクセントが加わるから最強です。
このカリカリアスパラは、2年前も「これだけでも呑める!」と大好評でした。
後編へ続く