2017/ 6/20(火)

地域で守り継がれる「畔藤きゅうり」(2024年5月一部改訂)

(2024年5月一部改訂)

野菜の仕事をしている幸せのひとつは

野菜や果物の物々交換「野菜コミュニケーション」(野菜果物を通したコミュニケーション)

 

いろんな農畜産物をおすそわけいただく機会が多いので、

それをさらに食仲間に福分けすると、美味しい幸せの物々交換になることがしばしばなんです。

 

今回は、山形県・白鷹町観光交流大使の上原恭子さんから「山形おきたま伝統野菜」の

畔藤(くろふじ)きゅうり」をおすそわけいただきました。

畔藤きゅうり(山形おきたま伝統野菜)

名前は、白鷹町畔藤地区で明治時代以前から栽培されてきたことに由来する、

希少な黒イボ系キュウリです。

畔藤地区で3件の農家が守り継いできた種だそうです。

今回、私のもとにやってきたのは、種を譲り受け、新野惣司さん(85歳)さんが栽培したもの。

 

すらっと美しい姿で、淡い黄緑色。

なにより印象に残ったのは、切ったときに溢れ出る上品な薫り!

すごく華やかで女性的なやわらかさを持ちながらも力強い薫りなんです。

皮は若干硬めで、中はジューシーでやわらか。(種は少ない。)

若干ふにゃっとした感じがしたけれど食べてみると、皮の歯切れの良さが心地よかったです。

 

あっという間に何もつけずに食べてしまいましたが、

味噌のようなパンチの強い調味料ではなく、

浅漬けなど繊細な味わいを生かした食べ方がいいなぁと思いました。

 

2024年、畔藤地区で継承する最後の1件、川井家からご連絡をいただきました。

他の伝統野菜同様、土地や栽培方法が異なると「味が変わってしまう難しい野菜」だと感じているとのこと。

種を譲り受けたり、他地域で栽培すると、どうも違う味わいになるのが伝統野菜の種の個性なのです。

本家本元で栽培された畔藤きゅうりは「爽やか」な味わいだそう!

機会を作って味わってみたいです。

ご連絡ありがとうございました。