地域に行かないと出逢えない味があります。まさに地域の宝物。
でも、その土地の人にとっては当たり前すぎる「こと」の中に存在することも多く
気付かれていないこともしばしば。
私は、そんな価値に出逢えた時、敬意を込めて「運べない味」と呼んでいます。
阿部梨園の阿部さんから紹介いただいた「畑市場」の山崎さんが連れていってくださった、
栃木県の「大平ぶどう団地」の「小林一夫ぶどう園」でも「運べない味」に出逢いました。
栃木県には「大平ぶどう団地」という、ぶどう産地があるんです。
足尾山系最南端に位置する大平山の麓で、ぶどう栽培が始まったのは明治末頃。
水はけのいい土地、晴天率の高さ、温暖な気候がぶどう栽培に合っていたことから
昭和48年に、ぶどう農家が集まって北関東最大規模の「大平町ぶどう団地」となったのだそう。
現在は、ピーク時よりは減ったそうですが、約70件のぶどう農家さんが軒を連ね、
通称「ぶどう通り」と呼ばれる大規模農道沿いには、
どこに寄ったらいいのか選びきれないくらいのぶどう園が続いていました。
お連れいただいた「小林一夫ぶどう園」は、
栽培品種が約30種と、中でも多品種を栽培しているぶどう園。
(↓写真をクリックするとHPにジャンプできます)
店頭で、旬を迎えているぶどうを食べ比べしてお気に入りを見つけ、購入することができます。(宅配直送もされています)
中には数時間で完売してしまうようなレア品種もあるのだとか。
今回、初めていただいて感動したのが「竜宝」という品種。(現在は終了しています。)
触り心地からしてぷるぷるしていて、まるで水風船のよう。
皮をむくとせっかくの水分がしたたり落ちてしまうので、
そのまま軸の穴から吸っていただくのが正解です。
いただくと、口じゅうに、ぶどうのジュースが広がり至福!!!
ただ甘いだけでなく、ほんのり酸味もあり、コクがあるので、「あまうまい」印象です。
軟らかすぎて、流通に耐えられないため、「小林一夫ぶどう園」でも
発送は行わず、直売所に来ていただいた方だけのお楽しみなのだそう。
まさに「運べない味」。これぞ産地にしかない、産地に行かないと体験できない価値ですね。
ご厚意でぶどう園内も案内いただきました。(通常、ぶどう狩りは期間限定で「巨峰」のみ。)
鳥に食べられないように、品種によっては色が美しくなるように
丁寧に紙袋をかぶせられて収穫の時を待つぶどうたち。
ちょうど食べごろだった「ロザリオビアンコ」。(こちらも現在は終了しています。)
なんと、収穫させていただいちゃいました!
ずっしり重く、それを支える軸も想像以上に硬くしっかりしていました。
ストレートで上品な甘さとマスカットのような薫りがたまりません☆
皮ごとサクサク食べられる「マニキュアフィンガー」、訪問時は収穫まで、あと一歩のところ。
(9月中旬の今、まさに旬を迎えています!)
その名の通り、ネイルをした指のように、先だけが濃く色づく、色っぽいぶどう。
果肉にも張りがあって、皮ごといただくとパリっとした食感。
ちょうど真ん中のところに種があるので、半分ずつ食べると種が出しやすい
のだと教えていただきました。
ほんと、几帳面に真ん中に種が集中してくれていましたよ。
梨から始まった栃木県の「おいしい」をめぐる日帰り旅。満喫しました。
みなさま、ありがとうございました。
【生産者さんデータ】
小林一夫ぶどう園
栃木県栃木市大平町西山田1568番地
TEL/FAX 0282-43-3848
HP http://www.cc9.ne.jp/~yo-kobayashi/
*HPからお取り寄せができますよ♪(旬のみ)