2017/ 4/24(月)

弘前・狼ノ森(おいのもり)かっちゃ(お母さん)の伝承料理

西新橋で青森現代料理を提案しつづけている「ボアヴェール」

カズシェフの伝承料理の1人目の師匠だという、かっちゃシェフ木村冨美さん

東京で腕をふるう最後かもしれない機会があると知り、伺ってきました。

かっちゃ

あっ、ちなみに「かっちゃ」とは津軽弁で「お母さん」のこと。

青森の地域資源「伝承料理」を次世代につなぐ試み

その名も「伝承しナイト!弘前狼ノ森編」

 

ふだんは、青森伝承料理の「予告編でありたい」(本編は現地青森で!)という想いから、

青森食材を使いながらも、あえて

伝承料理をそのままお店で出すことはしないカズシェフですが、この日だけは特別!

伝承料理の師匠であるかっちゃシェフを現地からお迎えして

かっちゃシェフ指導のもとで調理した伝承料理を提供くださるのです!

あいさつ

かっちゃシェフ木村冨美さんとカズシェフ

2011年にスタートし、今回で12回目を迎えた同イベント。

今回は、早々に満員御礼となり、キャンセル待ちの方も多数だったそう。

会場は定員を5席増席しての45名で熱気むんむんでした。

 

料理長は「かっちゃシェフ」

まず「料理をするのが好きで好きで」という

主役のかっちゃシェフ木村冨美さんから料理の説明がありました。

おしながきは

おしながき

ぜんまいの白和え(この日のために近所の方にもお願いして集めてくださったぜんまいをふんだんに)

きのこの塩辛(十和田湖産のキノコと納豆昆布でとろ~り)

本かぶ漬け 大根漬け

さざなみあえ(山菜のミズと「さざなみ」という昆布の加工品との和え物)

さめなます(サメを茹でて、ほろほろにしたものと大根の和え物)

棒鱈の煮付け

ばっけみそ(山で採ったふきのとうで作ったふき味噌。)

ごままんま(酒とザラメでほんのり甘く炊いたごまごはん)

けの汁(刻んだ野菜がたーっぷり)

 

青森の伝承料理と聞くと、味が濃いイメージだったのですが、

かっちゃシェフ木村冨美さんの料理は、ふんわり優しい味わい。

お人柄がそのまんま表れているようでした。

 

青森県には、地域のかっちゃシェフのお料理が食べられる場所(津軽あかつきの会)もあるそうで、

仕掛け人の狙い通り、青森に行きたくなっちゃいました。

 

「行く」「食べる」「知る」ことも伝承料理の継承の一助

かっちゃシェフ木村冨美さんの言葉も、じんわり心に沁みました。

「心の財産はお金ではない。色んな苦難を乗り越えてきたけれど今は幸せで幸せで。

 それも旦那の協力があって。旦那は私と帽子が趣味なの(笑)。」

「仲良く耐えることって素晴らしい人生。」

「カズシェフが私をお母さんって言うんだから嬉しく嬉しくて、ここに来たくて来たくて。

 一か月も前から運動して体力つけてきたの。」

 

そして、もう体力的に来られないかもしれない、と言っていたかっちゃが、

「みんなの笑顔が私の財産。元気でいればいいことあるね、また来たくなった。

 今日の出会いに感謝して、おんぶしていきますと(涙)

その言葉に、今日の全てが凝縮されていた気がしました。

 

全国を取材して歩いている私ですが、実は

つたないアウトプットしかできないことを後ろめたく思っていた時期もありました。

そんな時、お母さんたちがこんな言葉をくれました。

「そんなに喜んでくれて本当にありがとう。来てくれるだけで嬉しい。」

そうか、外から見た目線で、そこにある日常のすばらしさを、

その土地の方に自分の言葉で伝えることも、私が担う大切な役割なんだと。

 

本当は私たちが現地に足を運んで、かっちゃシェフたちに感動を伝えることが

ベストなのだけれど、そこまでの一歩が難しい。

「伝承しナイト!」はまさに、その一歩のきっかけになる場だなぁと感じました。

すでに次回の開催予定も決定している模様。今から楽しみです♪

かっちゃと

かっちゃシェフ木村冨美さん、81歳のお誕生日おめでとうございます!ごちそうさまでした。