9月のはじめ、「日本みかんサミット」の取材のために和歌山県を再訪した際、
(「日本みかんサミット」については後日、農経新聞での特集記事をもってご報告いたします。)
ずっと行きたかったレストランで最高の時を過ごしてきました。
レストランに隣接する自家菜園をもち、
採りたての野菜やハーブを活かしたレストランとして知られる岩出市の「Villa AiDA」です。

笑顔が全てを物語っています。左から私、上原恭子さん、マダム小林、小林シェフ、高橋金一さん。
実は私、畑で自ら野菜を作る料理人に対して、あまりいいイメージをもっていませんでした。
やはり餅は餅屋といいますか、素材はプロの仕事に任せて、
料理人は料理人の仕事に集中した方がいいのではないかと思っていたからです。
でも、それを華麗なまでに打ち崩してくれたのが「Vila Aida」の小林シェフでした。
伺った時は、端境期ということで、自家菜園のお野菜は少なめとのことでしたが、
「季節の野菜や地の魚や家禽を使ったコースMenu Seasons (5 plates + 2deserts)」に
ワインをペアリングいただき、夏野菜の名残を楽しみました。
なんなんでしょう、もう。。。。。(一部のお料理に想いを乗せて♪)

前菜1皿目。緑色のトマト「カプリエメラルド」と食用ホオズキ。ピクルスの酸味が絶妙で、ここまで食用ホオズキのオリエンタルな魅力を引き出した食べ方は初めて!
野菜の生長過程や部位を見事に使い分けていらしたり
野菜を育てているからこその見事な野菜の活かし方をされていて、
一皿ひとさらいただくたびに、ぐっときてしまうんです。

前菜2皿目は、名残の夏野菜のロースト。火入れは完璧だし、セルリーの一番美味しい部分である芯が添えられているところとかツボだらけ。
野菜が主役の前菜までは、ハーブ使いも穏やかだったかと思いきや、
ジビエのパスタではどどーんと野性的な薫りがたつ力強いお皿を出してくださいます。

熱さも絶妙。運ばれてきた瞬間、山の力強い薫りに包み込まれました。
緩急もすばらしくて、笑いが止まらなくなる幸福感。

お魚はサワラ。皮はパリパリ、実はほぼ生でジューシー。添えられていた「すだち」の浅い蜂蜜漬けの美しさと味わいにも感動。どうしたらあんなに美しく仕上げられるのか。食材と両想いでないとできない職人技の域です。
キッチンが見える席に座っていた金ちゃんが最後に明かしてくれたのですが、
シェフは度々、小窓からこちらの様子を伺いながら絶妙なタイミングで計ってくださっていたよう。

キッチンにつながる3つ小窓。
マダムのサービスとワインのチョイスも最高!
近くにいるわけではないのに、まるで私たちの会話や好みを熟知しているかのよう。

どれも本当に美味しかったワインたち。この後に「バローロ キナート」ン、グラッパ、チェロ2種をいただきました。

デザートだけは3種から選べる仕組み。私は「藤稔 黒バジル カカオ 黒糖」をチョイス。一見、黒糖に見える固まりはビターなカカオと黒糖を再構築したもの。甘すぎずブドウの甘みを引き立ててくれていました。
そしてまさか、このメンバーでの定番、
エスプレッソにグラッパからの、チェロでシメる流れまで楽しめるとは!

ほんのりエスプレッソを残したカップに、この中から選んだグラッパをそそぎ、カップをキレイにします。
初めてなのに行きつけのレストランに帰ってきたような心地よさをいただきました。
そもそも知るきっかけになったのは、
ごはん友達でもある原木しいたけ農家で美食家、ぬっくこと貫井香織さん。
そして、みかんサミットでお知り合いになった蔵光農園さんは、
小林夫妻と一緒にイベントをするほどの仲でいらしたり、何かとご縁も重なりました。
畑とつながるレストラン、
和歌山県という産地にあるレストランだからできる唯一無二の空間。
食べているそばから、また来たいと思わせるほど、
すっかり虜になった私たちは来年早々の再訪をすでに決めています。
次回は、隣接する畑の景色が見える明るい時間帯から行ってみたいな。
季節ごとに訪ねたい、わざわざ行く価値のあるレストランとの出会いに感謝です。
★Villa AiDA(ヴィラ アイーダ)★
〒649-6231 和歌山県岩出市川尻71‐5
電話 0736-63-2227
営業時間 11:30~13:00(L.O.) 18:00~21:00(L.O.)
月曜定休