毎年、茅野市美術館で開催されている「寿齢讃歌〜人生のマエストロ〜」。
長野県出身の写真家、故・木之下晃氏によるプロデュースによるお年寄りを被写体とする公募写真展です。
写真を通して、人生の達人であるお年寄りたちを讃え、
またそこに写り込む地域文化を世界に届け、未来に伝えていくことを目指すもので、
今年で12回目を迎えました。(展示期間は9月22日~10月9日で終了)
私は、祖母と過ごし始めた10年前から、祖母の暮らしを撮った写真を出展し続けてきました。
ある日、茅野市美術館のご担当者さまよりお電話が。
なんと!「10年間の作品をまとめた特別展示をしたいので写真を貸してほしい」というご連絡でした!
奇しくも4月に祖母が102歳で天寿を全うした節目の年。
葬儀場の方々にご協力いただき、「葬儀は、ばあちゃんの写真展にする」
という夢を叶えられただけでも幸せだったのに、なんと光栄なことでしょう。
ずっとカメラを向けられる非日常を受け入れ、途中からは楽しんでくれていた祖母への
最高の恩返しができることになりました。
オープニングセレモニーに伺い、感動!
展示会場入り口で大々的に10年の歩みを1枚ずつ展示してくださっているではないですか!
しかも、心のこもった紹介パネルと共に(涙)
運営スタッフの方々はもちろん、木之下先生のご家族にもお目にかかることができました。
孫が祖母の暮らしを切り取り、その姿から学び、次世代へつなげていく。
まさに先生が目指していたことそのものだ、とのお言葉をいただきました。
私が出展した祖母との最後の作品は「凛と生きる」。
本当に素晴らしい場をいただき、ありがとうございました。
今後、祖母の写真は、他の会場でも展示いただくことになったようです。
見てくださった方がふと
「じいちゃん、ばあちゃんはどうしてるかな?」と思うきっかけになったら幸せです。