2016/ 5/18(水)

香川県は「ひとつで2度味わう」食文化【香川の美味しい春旅2016③】

【香川の美味しい春旅2016】シリーズ 

香川県は「ソラマメ県」でもあった!?

「ソラマメ県」で教わったソラマメ保存の知恵&旨すぎる「粉ふきインゲン豆」の作り方

 

香川県の畑を取材し、食べて、浮かんだキーワードは

「香川県は『ひとつで2度味わう』食文化」!!!

 

先の記事でも触れたように、ソラマメやインゲン豆など盛んに栽培されている豆類は、

まずは「新豆」を茹でたり、煮たりして味わい、「乾燥豆」は保存食として活用。

乾燥豆の食べ方のひとつとして「粉ふきインゲン豆」にしたときも

そのままで味わうのに加え、「煮豆の天ぷら」にして、さらに楽しむ。

金時豆の天ぷら

ひとつの食材を、何層にも味わう、すてきな食文化圏だなぁと感じました。

 

春の味覚タケノコや葉ゴボウも天ぷらにする時は、

煮物にしてから揚げるのが定番なのだそう!

 

そうそう、驚いたのは、うどん屋さんにあったコレ!(ちくわの隣の四角い天ぷらです。)

天ぷら

なんと「高野豆腐の煮物」の天ぷら!

高野豆腐の天ぷら

断面はこんな感じ。

 

もちろん初めていただいたのですが、全く違和感ない美味しさ。

 

他にも、「葬式まんじゅう」と呼ぶ人もいる饅頭を、4つに切って素揚げして、酒のアテにする、という話も!

(饅頭の味わいが濃くなって美味しいのだとか。)

 

日本一小さな県で、耕作面積が限られている。

けれど、温暖な気候に恵まれている環境を生かし、田んぼで米を作らない時期は、

麦や、旬の重ならない野菜、豆類を作ることで、土地を2倍に生かしてきた香川県。

その知恵は、土地の活用だけでなく、食べ方にまで徹底されているんですね。

 

ちらし寿司が具だくさんなのも香川県の特徴だとか。

お米の生産量が限られ、貴重だったから山の幸などを入れて

かさ増ししたことが原点だそうですが、

今となっては、それが豪華で豊かなちらし寿司に見えるから不思議です。

 

「ない」から生まれた香川県ならではの豊かな食文化。

簡便化がもてはやされる中、もうひと手間かけて美味しく味わう

香川県の食べ方からは、食材への敬意を感じました。

やっぱり、長所と短所は表裏一体、捉え方次第で宝物になりますね。