「最盛期を迎えた北海道美唄のアスパラ専業農家に密着!」シリーズ
パートさんが合流「チームうちやま農園」へ
朝8時前、パートさんが続々と集まり始めます。
素早く身支度を整え、全員でラジオ体操。
(写真がないのは、8時に体操スタートと勘違いして
お手洗いに行っていたら終わっていた私のダメぶりゆえ。。。)
仕事開始の8時、パートさんたちは一気に畑へ飛び出していきました。
これ、オーバーな表現ではありません。
1日を通して感じたのですが、
みなさんの動きが常に機敏で歩いて移動している感じではないのです。
世界でひとつ「うちやま農園式」アスパラ収穫補助機
「いきまーす!」「はーい!」
収穫作業は、パートさんの声の掛け合いでスタート。
なぜ「せーの」で始める必要があるのか、その理由は独自の収穫システムにありました。
パートさんたちを先導するのは、この収穫補助機!
移動時はこのようにコンパクトですが、
農機の前方両サイドに折り畳み式の長い竿が取り付けられていて、
そこにつないだ収穫カゴを一気に牽引できる仕組みになっています。
こうやって広げて(動画でご覧ください。音が出ます!)
準備完了!
この通り、収穫したカゴは機械が引っ張ってくれるのです。
この機械、2代目の彰さんが、パートさんたちの身体を思って考案した
世界でひとつのオリジナル機械だといいます。
収穫したアスパラを運びながら移動すると、腰への負担が大きいため、
少しでも腰を痛めるリスクを軽減できるようにと考えられたもの。
人を想う気持ちから生まれたアイデアが、
効率アップ、そしてパートさんたちの働きやすい環境にもつながっているんですね。
「アスパラ早採り選手権」?!
では、圧巻の収穫風景を動画でご覧に入れましょう。
一見ゆっくりに見えるかもしれませんが、現場の体感はもっと早く感じました。
全長約200mの畑を約30分で採りきってしまうスピード感です。
まるで「アスパラ早採り選手権」をしているのかと思うくらい!
すごいのは、そのスピーディーさで、かつ、
まるで身体にモノサシが入っているのではないかと思うくらい
均一な長さで収穫していらっしゃること。
新人の方は目安となるモノサシを持ち、あてて長さを測りながら収穫していますが、
ベテランの方は、何も持たずに感覚だけで、です!
収穫後のカゴの中が、選果されたもののように揃っています!
しかもです!収穫するだけでなく、畑の後処理まで同時にしていることに驚き!
どういうことかと言いますと、
それぞれ異なる長さに育っているアスパラを同じ長さで収穫すると、
根元の部分が少し畑に残ってしまうことがあります。
それが無数に生えたままだと、つっかかりになり翌日以降の収穫作業の妨げになりかねない。
なので、アスパラガスを収穫したら直後に、根元も刈ってるのです。
改めて動画をよーく見てみてください。カマが2回動いていることがありまますから。
「うちやま農園」を支える職人の人間力
パートさんのチームワークにも感動しました。
新人さんが最初からベテランの方と同じスピードで収穫できるわけがありません。
そこはベテランの方が、さりげなく新人さんのエリアまでカバー。
(恩着せがましくでなく、本当に「さりげなく」なのがポイント(笑))
経験が豊富な人ほど動き、新人さんはその姿勢に学び、より頑張る。
「そんな会社だったら入りたいなぁ」と思うような理想的な雰囲気が伝わってきました。
「一番長い人は26年勤めてくださってますから、パートさんというより職人。
その方たちでうちは成り立っているんです」と内山さん。
ずしんと響く納得の言葉でした。
それで私は今回のタイトルの「わざ」という言葉をあえて平仮名で書かせていただきました。
修錬を積んで身につけた専門技能を意味する「技」
その人の能力で成し得る神業のような仕事という意味での「業」。
「うちやま農園」を支えるパートさんは
その両方を合わせても足りないくらい価値のある「わざ」をもつ職人でした。
【生産者さんデータ】
うちやま農園
内山裕史さん・佳奈さん夫妻
HP http://www.uchiyamanouen.com/
*HPからお取り寄せができますよ♪(4月~8月頃)