「『朝採りアスパラ&サマートリュフ』への道」シリーズ
無事、トラブルもなく渋谷の「オステリアアルコ」に到着。
岡田シェフにアスパラを渡したところで私の仕事はほぼ終了です(笑)
今回もおかげさまで、一般告知する前に関係者だけで満席に。だって、テーマがすごすぎますからね。
うちやま農園の朝採りアスパラ&サマートリュフのスペシャルディナー
しかも、2017年5月19日朝採り日本最速篠原宅配便ですから(笑)
おかげさまで、ゲストのみなさまに大満足いただいたメニューを振り返ります。
土壌&株年数の異なるアスパラの食べ比べ
その前に、ディナーイベントはアスパラの食べ比べからスタート。
野菜ソムリエプロでもあるクッキングインストラクターの上原恭子さんと企てた企画、
かつゲストのみなさまも市場関係者や生産者、食メディアの編集者などプロばかりなので、
かなりマニアックな視点も盛り込んでみました。

上原さんが作ってくださった席次カード
コース料理の前なので、味の凝縮されたSSサイズのアスパラを縦半分に切ったもので食べ比べ。
現場では、最初どちらがどちらか伝えず先入観なしに食べていただきましたが、、、
上 → 25年物の株(かなりのヴィンテージ株!)@泥炭土壌9割
下 → 5年ものの新しい株 @泥炭土壌・粘土質ハーフ&ハーフ
なんだそれ?ですよね(笑)
泥炭土壌とは、石狩平野の植物が約6000年も堆積してできたと言われる有機質が豊富な土。
泥炭は、モルトウイスキーの香りづけにも利用されているそうで、
「うちやま農園」の独特の薫りと鼻に抜ける余韻につながっていると考えられています。
畑指定での注文を受けることはできないので、あえて明示していないのですが、
当然、土地もアスパラも生き物ですから、畑の土質、株の年数によって味わいが違ってきます。
現場で採りながら味見をしていて、それを実感したので、
今回、内山さんの許可を得て、食べ比べをさせてもらうことにしたのです。
見事に好みは半々くらいに分かれました。
私は、泥炭地の風味と薫りが特に穂先に凝縮された、パンチのある25年株が好きなのですが、
フレッシュで繊維もやさしい5年ものの株の方が好みの方もたくさんいました。
「美味しい」は人それぞれ、だから面白いですね。
1人約600g!アスパラ尽くしのフルコース
さて、いよいよ岡田シェフ渾身のコース料理スタート。
事前に仕込み用でお送りいただいていた分も入れると、13キロ近いアスパラを使用。
1人600gは食べていただいたことになるそうです!
★乾杯ドリンクは 岡田シェフオリジナル「アスパラガスの食前酒」!
セロリのフルコースに続き、今回もシェフ、作っちゃいましたねぇ。
アスパラの皮を96度のスピリタスに漬けて薫りと風味を凝縮させ、ソーダ割りしたもの。
皮まで全て使い切りたい、というシェフの心意気が最初からビシバシ伝わってきます。
★アスパラガスの前菜盛り合わせ
左上から時計回りに
・アスパラガスと萩のイサキのマリネ ケッパーのヴィネグレット
朝採り紫アスパラガスのスライスを添えて(左上)
・アスパラガスのスープとイタリア産水牛のモッツアレラ(中央)
・アスパラガスのグリルとスカモルツァチーズの燻製(右上)
・ミラノ風アスパラガス(右下)
粉チーズをまとっているのは、うずらの卵!
・伊豆産天城軍鶏とアスパラガスのロト-ロ ヴィンコットソース(中央下)
中にも周りにもアスパラ♪
・バッサーノ風アスパラガス(左下)
ヴィネガーを利かせた半熟茹で卵のタルタルでアスパラをいただくのはグラッパ山の麓バッサーノ地方定番の食べ方なのだそう。
★アスパラガスと新じゃがのフォカッチャ
北海道らしい組み合わせにしているところがさすが!
生地にもアスパラが入っていますが、水分が出てべちゃっとしないように
塩をふって半日おき、浸透圧で水分を減らしてから練り込んでいるのだそうです。
最終章へつづく